アートのひみつ!
700キロの巨大(きょだい)な陶(とう)の作品。この大きさには意味があるよ。 中で声がひびく作品、みんなで座れる石積み、季節を感じる果物の木、広場のような場所に集まろう。
Q1. この作品はどんなアイデアから生まれたのですか?
西條さん:この辺りには、みかん・レモン・びわ・いちじく・栗など、たくさんの果物の木が育っています。その豊かさに感動したので、「この土地の実りをお祝いしたい」と思いました。
ヒントにしたのは、古代ギリシャの「ケルノス」という器です。たくさんの壺が連なった形で、昔の人がそこに種や食べ物を入れて、豊作をお祈りするために使っていました。
Q2. なぜこんなに大きな形にしたのですか?作るのは大変でしたか?
西條さん:小さな茶碗は手で「持つ」感じがしますが、自分より大きなものは、体を「あずける」感じになりますよね。人と作品の関係がひっくり返る瞬間をつくりたかったのです。大きさを、体全体で感じてみてください。
この作品は全部で700kgほどあります。窯で焼く前は1トンほどあるため、もちろん一人では動かせません。焼き物は焼く前が一番壊れやすいので、窯入れは機械などではなく人間の手で行いました。
大人5人くらいで協力して少しづつ動かしながら無事窯に入れることができました。
Q3. 穴に声を吹(ふ)き込(こ)むと、何が起きるのですか?
西條さん:穴に向かって声を出すと、作品の内側に音が響きます。となりの穴から声を出している人の声も聞こえてきます。声をひびかせると、作品と自分の体がひとつにつながるような感覚になるので、ぜひ試してみてください。
Q4. 周りに果物の木を植えているのはなぜですか?
西條さん:いちじく・びわ・レモンなど、季節がちがう果物の木を植えています。
春・夏・秋・冬、来るたびに木の様子や実る果物が変わります。来るたびに「あ、もう秋だな」「今年も実ったな」と感じてほしくて、季節ごとにちがう木を選びました。
Q5. この作品を、どんな場所にしたいですか?
西條さん:石を積み上げた広い地面の上に少し腰かけて休んだり、実った果物を食べたり、友だちや家族と集まれる「広場」のような場所になってほしい。果樹がどんどん育って葉を広げると、日陰もできます。みなさんのお気に入りの場所になってくれたら嬉しいです。
インタビュアー
椿 玲子
森美術館キュレーター